【調布・歯科】インプラントのデメリット【みはし歯科クリニック】
こんにちは。調布駅東口の歯科、みはし歯科クリニックの三橋です。
インプラントでグーグル検索をかけると、いろいろな歯医者さんのインプラントに関するページが出てきますね。でも、その中でちゃんとインプラントのデメリットを記載しているところがあるでしょうか。
手術が必要、治療費が高額、時間がかかる…ということは説明されていると思いますが、それ以外のデメリットってないのでしょうか。今回はそのあたりを僕の考えも含めて説明していきます。
まず、僕はインプラント専門医ですが、当院はインプラント専門医院ではありません。インプラントはブリッジや入れ歯と同様、欠損補綴の一つの手段と考えています。
一つ目のは「インプラントは見た目がいい」という説です。これに関してはかなり多くの方がそう認識しているのですが、必ずしもそんなことはありません。前歯のインプラントは条件が整っていればかなり見た目をよくすることはできますが、そもそも抜歯した後時間がたっていたり、抜歯が必要な歯にそんないい条件が整っていることはほとんどありません。追加の手術をしなければ、たいていの場合、両隣の歯と比べてすこし歯が長くなったように感じたり歯茎が少しへこんだ感じになったりします。こと追加の手術というのが、歯肉移植になるのですが、患者さんの負担が非常に大きいです。簡単に説明すると、上顎の裏の歯茎を切って取り出して移植するのですが、麻酔が切れると結構いたいんです。また、両隣の歯の状態によってはむしろブリッジのほうが見た目をよくすることができます。
二つ目はよく噛めるということ。これは間違いないのですが、このよく噛めるというのが曲者で、かみ合う歯を痛めてしまうことがあります。特に下の一番奥歯がインプラントで上の歯が神経のない歯だったり、歯周病が進行したりしている場合は注意が必要です。そういう場合はインプラントを入れた後のかみ合わせの調整を特に慎重に行い、メンテナンスのたびにインプラントだけではなくかみ合う歯の状態も慎重に確認が必要です。そのあたりの診断をおざなりにしてしまうと、上の一番奥の歯がダメになってしまいます。そこにまたインプラントをと考えると、上の一番奥歯のインプラントは困難を極めることが多く、何もしないでそのままでとなると結局下のインプラントだけが特に何の役にも立たず残っているということになります。
三つめはインプラントも歯周病になるということ。以前に歯周病についてご説明したように、歯周病で失った骨は元に戻ることがありません。これはインプラントも同様で、しかもインプラントには歯根膜という天然歯には存在する生体の防御機能がないため歯周病は一気に進行します。
細かいことを言えばほかにもいろいろあるのですが、インプラントには天然歯にはないデメリットが存在します。
インプラントは確かにメリットの多い治療です。適切に治療し、適切に管理すれば長持ちさせることも十分可能です。しかし、あくまでも人工物であるということを忘れてはいけません。メリットとデメリットを十分に考慮し、患者さんがそれでもインプラントにしたいという強い意志がある場合に僕はインプラントを選択します。患者さんも今だけよければいいという考えではなく、その後の数十年を考えて治療法を選択いただければと思います。




