親知らずの移植、歯牙移植について
お久しぶりです。調布の調布駅東口、みはし歯科クリニックの三橋です。今回は当院でも希望者の多い移植治療についてお話します。
歯の移植は、抜歯した歯の抜歯窩に不要な歯を文字通り抜歯して移植して使えるようにしようという治療です。主に第一、第二大臼歯の抜歯窩に親知らずを移植することが多いです。
1.移植した歯が機能するのか
はい、ちゃんと機能します。移植歯は抜歯窩の骨と癒着するのではなく、移植歯由来の歯根膜を介して機能します。これは本来の歯と同じ状態です。
ただ、何でもかんでも移植すればいいというわけではなく、抜歯窩と移植歯の歯根を適合させ、さらに歯根と歯槽骨ができるだけ接触しないようにし、移植歯にストレスがかからないようにする技術が必要です。
2.メリットとデメリットは?
メリットは多いです。成功すれば元の歯と同じように使えます。歯根膜が存在するというのが大きなメリットで、かみ心地もインプラントよりもいいです。
費用的にも親知らずの移植であれば健康保険が適用されるため、3割負担の方で1万円弱で済みます。インプラントのように数十万円かかるということはありません。
デメリットは一つは成功率です。5年生存率は大体50パーセント程度です。これはインプラントは95パーセント以上ですので治療の予知性という面では劣ります。また、移植に使える歯がなければ治療ができないというのもデメリットです。
しかし、当院では親知らずの移植の初期の成功率は90パーセント以上、5年生存率は80パーセント程度です。私が治療した方の中には10年以上問題なく使えている方も多くいらっしゃいます。抜歯窩の状態、移植歯の状態など、制約の多い治療ではありますが、成功した時の恩恵はかなり大きいです。一度検討してはいかがでしょうか。