保険診療?自由診療?
こんにちは、調布市調布駅東口のみはし歯科クリニック、三橋です。
本日は保険診療と自由診療の違い、保険診療はダメなのか?という皆さんの疑問についてあくまで私見ですが考えをお伝えします。
保険診療とは
国が定めた診療行為に従って、国が定めた診療報酬(保険点数)を医院が請求するシステムです。保険証をお持ちの方は負担率(0割~3割)に従って一部負担金を徴収します。よって、治療方法、その順序、使う材料等、全て決められた範囲内での診療となります。全国一律、どこで治療を受けても治療費は変わりません。
自由診療とは
医院が自由に診療行為を行い、医院が定めた治療費を患者さんからいただきます。よって保険証を持っていてもいなくても全ての治療費を患者さんが負担します。治療方法や検査方法、治療方法、使う材料等、医院が自由に使うことができます。同じ治療であっても医院によって大きく費用が異なることも多いです。
ここで皆さんが思うこと、「自由診療は医院が治療費を設定しているから、自由診療は金儲けではないか?」ということです。
これに関しては私は完全には否定しません。医院も経営上、保険診療よりも自由診療のほうが利益が多く出るように設定しているところがほとんどであると思います。当院もそうです。
しかし、その利益の中には保険診療では完全に無視されている部分も含まれています。医院の立地の違いによる家賃や医院の規模の違い、設備投資などいろいろあります。
しかしその中でも特に大事なことは医師の技術力の評価です。大抵の歯科医師は卒直後から日々訓練を続けます。僕の経験で言えば、卒後10年くらいは毎日の診療に加え、診療後の勉強会、休診日は講習会に出かけます。歯科医師の講習会は一日で終わるものから1年間を通して行われるものまで様々ですが、1年間のコースは100万円から高いものだと200万円くらいかかります。それを何年も、様々なコースを受講して自身の診断力と技術を高めていきます。保険診療では、卒直後の歯科医師でも専門性を高めた歯科医師でもかかる費用は変わりません。
僕の専門はインプラント治療、特にその中でもインプラント関連外科を勉強してきました。インプラント治療はもともと自由診療ですのでわかりやすいのですが、他にも根管治療やCR充填など、保険診療でも認められている分野を勉強して専門にしている先生もいらっしゃいます。そういう先生は当然ですが、その治療を自由診療で行います。その治療を行うために様々な検査をして治療計画を立て、時間をかけて説明し、治療を行うときは一人の患者さんだけに時間をかけて治療を行うからです。
では、保険診療はダメなのか?決してそういうわけではありません。使う材料や治療方法に制限があるといいましたが、逆に言えばある一定の基準を満たした材料、そして学会である程度認められた標準的な治療法に従っているわけですので、そういう意味では安心できると考えます。保険で認められていないような粗悪な材料や、必要な検査を省くといったことはできないからです。なので「保険はだめだ、自費診療じゃないと咬めるようにならない、治らない」という説明には強い違和感を感じます。また、保険診療といえども説明をして患者さんの同意を得る必要があるということは言うまでもありません。